冬が近づくと地球に抱かれて命は眠る
街が景色を変えてゆく
秋はバーミアンレッドからセピアへ……
蜂蜜のような落ち葉の匂い
甘く香ばしい風が流れる
そろそろ 生き物たちは冬をこす準備を始めますね
大方は土の中で眠ります
命の匂い
冬枯れの植木鉢に水をやると
たちまち土は
命の匂いを立ちのぼらせる
枯れ葉や草や ちいさな生き物たちが
かさなって積もった土
ふくらんでしっとりして
陽射しを吸い込んで ほんわりして
土の中には ぬくぬくと眠る幼虫
芽を出す時を待つ種
はこべやいぬふぐりの根っこ
みんな土に抱かれて
冬をやりすごし春を待っている
乾いた鉢の中で
匂いたつときを待っている命たちに
わくわくと春を思いうかべて水をやる
*少し先を思い浮かべて何かをする…
楽しみはささやかに 道端の花も楽しみです。