心はやさしく 言葉は美しく

暮らしの中からやさしさと美しさをみつけてゆきます

つくし堂書店…本屋の店じまい

ちいさな本屋が店じまいした

住宅街の中に

ひっそりと開いていた本屋だった

 

カラカラと鳴る木戸と

交代で店番をする

2人のおばあさんが好きで通っていた

 

注文のメモを読んだ後に

眼鏡の中の澄んだ目で私を見て

    かしこまりました  承ります

と言う声が綺麗だった

もう一度注文を出して

あの声を聞いておけばよかった

 

入口の脇の水蓮鉢があったところが

ドア一枚の玄関になっていて

簡素な表札がかかっている

表札にはやわらかな文字で

「 つくし堂書店 」  とある

あの御二人らしいこと

 

 

* とても残念ですけど…正直な商いをしていたちいさな店は次々に消えてゆきます。

跡継ぎもなく利便性の高い大型店にはかないません。仕方ないことですが土筆堂が消えたことは少し堪えました。添付写真はいずれも土筆堂です。